ポジャギとは、ものを包んだり覆ったりするときに韓国で使われる布のことです。漢字では「袱」と書きますが、古い文献には同音の「福」という字がポジャギの意味で使われているものもあります。その背景には、一針一針丁寧に心を込めて作ったポジャギでものを包むのは、同時に福を包み込み、福を呼ぶとされた民間信仰がありました。また、小さなはぎれを無数につないでいく行為は、長寿を願うという意味にもつながっていたのです。

韓国では長年忘れられていた伝統工芸でしたが、近年その造形の美しさが見直され、関心を集めるようになりました。その波は日本にも広がり、現在日本でもポジャギに関心を持ち、またみずからポジャギを作る人が増えてきています。

このポジャギの美しさ、あたたかさに魅せられたポジャギ工房koeの仲間が、このたび福井で初めてのポジャギ展を開きます。一人でも多くの方にポジャギの魅力を知っていただけたらと思います。
一針一針、心をこめた作品をご覧ください。