AILA(アイーラ)というタイトルはトルコ語やペルシャ語で「大家族」というような意味がある。
ふと数えてみると、10カ国以上で撮影していた。
でも本のページをめくっても、それがどの国かというのはわかりにくい。
被写体もバラバラだけど、地球上に存在しているという点では同じだ。
どの被写体も、写真を撮ったときに目の前にいた。
現場で自分の眼で見たはずなのに、いま見ると不思議な気持ちになる。
もう写っているものはすべて過去の一瞬で。
その一瞬に立ち会えた奇跡。
そんな奇跡の積み重ねで世界は成り立っているんだなと思うと、
撮影した土地や被写体は
関係なく、すべてが地続きに感じる。
今回、金津創作の森とグラフの協力を得て、この場所に展示できることになった。
グラフのおもしろい提案と、たくさんの人の協力によっていままでにない展示になった。
金津の春の空気とともに見てもらえると嬉しい。
川内倫子
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