© Kosei Komatsu
小松宏誠は、「浮遊」への憧憬から、主に「鳥」や「羽根」をテーマに作品制作をはじめ、現在は、「軽さ」「動き」「光」をキーワードに、自然が持つテクノロジーと人間が生み出したテクノロジーが交差する表現を深化させています。その作品は、アートをはじめ、デザインやディスプレイの分野において国内外で高い評価をされています。
本展では、「森の夢」をテーマに、自然と人間からのインスピレーションを受け広がる想像の世界を、これまでに制作された数々の作品と新作、そして音楽家や親交のあるアーティストとのコラボレーションを交え、動きと光と影が織りなす大規模なインスタレーションとして紹介します。
また、野外美術館では風を動力とした大規模な新作インスタレーションを展示します。自然の物理現象、素材やテクノロジーを駆使した繊細で美しい次世代型のモビールアートの世界をお楽しみください。
「森の夢」とは、森が見ている夢、それを見ている人の夢かもしれない。風に乗り、雨の歌を聞いて、蝶になってはばたき、蜘蛛の巣の夜景をながめ、水の中では気泡とおどる。
数年前、ある小さな橋の上で夕日を眺めていました。通りすがりの人が、抱えている産まれたばかりであろう赤ちゃんに「きれいだねぇ、きれいだねぇ。」と何度も話しかけていました。その様子が印象的で、「あたりまえの美しさ」も現実とは思えない夢のような瞬間が何回も繰り返され、誰かから誰かに受け渡され続けてきたのかもしれない。と思うようになりました。現実とは、果てしなく交換され続ける夢の中かもしれない。
1981年 徳島県生まれ
2004年 武蔵野美術大学 造形学部 建築学科卒業
2006年 東京藝術大学 大学院美術研究科 修士課程(デザイン科)修了
2006~2014年 アーティストグループ「アトリエオモヤ」のメンバーとして活動
2014年~ Kosei Komatsu Studio設立
2022年4月~ 武蔵野美術大学建築学科 特任准教授
「第10 回文化庁メディア芸術祭」(2007)アート部門審査委員会推薦作品に選出、「釜山ビエンナーレ Living in Evolution」(2010)、「Wearing Light」ISSEY MIYAKE とのコラボレーション(2014)、「LexusInspired by Design」の CM に作品が起用(2014)、「六本木ヒルズ ウエストウォーク クリスマスデコレーション “Snowy Air Chandelier”」(2014)を制作し「DSA 日本空間デザイン賞 2015」優秀賞を受賞、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2015」に参加、「ミッドランドスクエア クリスマス装飾」(2015)が Red Dot Award 2016 Communication 部門で受賞、「夏木マリ・印象派 NEO vol.3 不思議の国の白雪姫」へ美術協力(2017)、「日本博」2020 オープニング・セレモニーにてインスタレーションを担当(2020)など。