「フジフイルム・フォトコレクション」は、日本の写真文化を支え続けてきた富士フイルム株式会社が、2014年に創立80周年を記念して創設した写真コレクションです。写真が未知なる視覚体験として幕末に伝来してから現在に至るまで、日本ではすぐれた写真家が数多く誕生しました。時代の変遷の中で、彼ら、彼女らは写真表現の可能性を探り、自らの姿勢や問題意識を明らかにしてきました。本展では、日本における写真黎明期の礎となったフェリーチェ・ベアトや下岡蓮杖らの作品にはじまり、明治、大正、昭和、平成と国内外で高い評価を受けた、日本写真史を語る上で欠かせない101人の写真家が撮影した1枚を銀写真プリントで展示します。デジタル写真の普及で写真が今まで以上に身近になった今こそ、発展をし続ける日本の写真史の軌跡を改めて見直していただくとともに、写真の在りように対する想いが込められた、101点からなる、日本写真史の精髄をぜひご覧ください。
秋山庄太郎/秋山亮二/荒木経惟/有田泰而/石内都/石元泰博/伊藤義彦/伊奈英次/入江泰吉/岩宮武二/植田正治/上田義彦/上野彦馬/潮田登久子/内田九一/江成常夫/大竹省二/大辻清司/大西みつぐ/岡田紅陽/小川一真/小川隆之/影山光洋/鹿島清兵衛/川田喜久治/鬼海弘雄/杵島隆/北井一夫/北島敬三/木之下晃/木村伊兵衛/日下部金兵衛/久保田博二/倉田精二/操上和美/桑原甲子雄/桑原史成/牛腸茂雄/今道子/齋藤亮一/坂田栄一郎/佐藤時啓/沢渡朔/塩谷定好/篠山紀信/柴田敏雄/島尾伸三/下岡蓮杖/十文字美信/白岡順/白簱史朗/鋤田正義/杉山守/鈴木清/須田一政/清家冨夫/瀬戸正人/高梨豊/竹内敏信/立木義浩/田中光常/田沼武能/田淵行男/田村彰英/築地仁/土田ヒロミ/東松照明/富山治夫/土門拳/長倉洋海/長野重一/中村征夫/奈良原一高/野町和嘉/ハービー・山口/芳賀日出男/濱谷浩/林忠彦/原直久/広川泰士/広田尚敬/深瀬昌久/福原信三/福原路草/普後均/フェリーチェ・ベアト/星野道夫/細江英公/前田真三/水越武/水谷章人/緑川洋一/南川三治郎/宮本隆司/三好耕三/森永純/森山大道/安井仲治/山崎博/山沢栄子/渡辺義雄
(50音順、敬称略)
1939年福井県今庄町(現:南越前町)生まれ。福井大学(工学部)卒業後、ポーラ化粧品本舗(現ポーラ)に入社、東京綜合写真専門学校卒。1971年同社退社後フリーランスとなる。同年「自閉空間」で太陽賞を受賞、写真集『俗神』などドキュメンタリーで脚光をあび、1978年伊那信男賞、1984年日本写真協会年度賞、2008年土門拳賞を受賞写真集には、そのほか「ヒロシマ」シリーズ、「砂を数える」「青い花」「パーティー」「ベルリン」などがある。国内の主要芸術祭のひとつ「ヨコハマトリエンナーレ2014」の招待作家に選ばれ、近年では「第58回カーネギー・インターナショナル」に参加するなど、世界的に活躍されている日本を代表する写真家の一人。東京綜合写真専門学校長、大阪芸術大学教授を歴任。現在、福井県の福井ふるさと大使を委嘱されているほか、福井新聞社主催の公募展「福井写真グランプリ」の審査委員長を務めるなど、地元福井の情報発信のために尽力している。2013年の金津創作の森「アートドキュメント2013 土門拳の子供たち―土田ヒロミ 構成―」でも作家として参加している。
1954年、宮城県生まれ。1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書、 1996年、サントリー学芸賞受賞)、『写真的思考』(河出書房新社、2003年)、『キーワードで読む現代日本写真』(フィルムアート社、2017年)、詩集『完璧な小さな恋人』(ふげん社、2022年)など著書多数。執筆活動のほか、写真展覧会の審査、企画等も手がける。
全国で多数の入賞を誇る丹生高写真部の入賞作品を展示します。また、同写真部でイチ推しのヤギュウハルト君のセカイをフィーチャリングした作品を展示します!高校生のエネルギーあふれる作品にご期待ください。
情景と心地よさ、それらを感じる作品を故郷の福井県で制作。美しい風景、そして人。それぞれの情景を楽しんでいただけたら幸いです。
自然の作り出すディテールは魅力的だ。花が生まれてから朽ちゆくまでの貌(かたち)は、見ていて飽きることがない。蕾が生まれてから花弁が披き、そして枯れゆくまでの姿は「静物写真(still life)」だが、同じ瞬間は二度と来ない。日ごろから目に、心に愛でる和花を中心に、越前和紙にプリントされた花の貌(かたち)を感じて。