マスキングプラント・野生の水脈

淺井裕介は、「マスキングプラント」という制作を2003年より続けている。最初にマスキングテープを小刻みにちぎって壁面に貼り付け、下地を作ってゆく。その上に耐久性マーカーで植物を描いてゆく。このシリーズは、条件の異なるいかなる場所においても自由奔放に淺井が動いた動線がマスキングテープの線となって現れてくる絵画作品である。空想上のシンボリック的な生物、淺井の描く根源的なモチーフは、画面に隙間なく併置され、大きな生物の中に入れ子状に小さな動植物が画面に飛び散るように配置され、宇宙の生態系を表すようである。