観覧券購入時、当日のタクシーレシート、領収書をご提示ください。観覧料が半額になります。(一般:600円のみ)
「森はあらゆる芸術の源である」という基本理念のもと、1998年の開館以来、アートドキュメントの名称で様々な分野のアートを紹介してきました。25回目の今回は、旅をテーマに世界の都市を歩き、旅を通して得た個人的な体験をもとに作品を制作している写真家・西野壮平を招待し開催します。デジタルの時代にアナログな手法にこだわり、モノクロフィルムで撮影した膨大な数の写真を一枚一枚手作業で貼り合わせながら独自の地図へとコラージュしていき、卓越した構成力によって仕上げられた作品は、記憶の断片が有機的につながるひとつの生命体のようであり、その独創的なスタイルと表現力は国内外で高く評価されています。西野は大学在学中に歩いて撮影した都市の断片を、記憶をもとに繋ぎ合わせて再構築した地図のような写真作品「Diorama Map」シリーズの制作をはじめます。本展では、現在の東海道を歩いて約3年の制作期間を経て34メートルの巻物として結実させた《東海道》(2017年)や、コロナ禍で新たに制作した作品《Mountain Line Mt. Fuji》(2021)などの6つのプロジェクトの作品を紹介します。さらに、2024年3月・北陸新幹線福井開業を見据えて、あわら市から京都までを巡る北陸道の現在を撮影取材した新作に挑みます。1点の作品を仕上げるために数千枚、数万枚の写真を貼り合わせるという、まさに心身のエネルギーをぶつけて挑んだ大作の数々をぜひ間近でご覧ください。
写真家の西野壮平と申します。この度は、金津創作の森美術館にて個展を開催することができ、大変嬉しく思っています。私は自分の身体を使って世界をどのように知覚するか、また世界をどうマッピングするかということを、創作の基盤とし活動をしています。今展では、20年前に制作した作品から現在に至るまでの私の作品を、体系的に展示するものになります。そして今展に合わせて制作した、北陸道をテーマにした大型の新作も発表します。美術館でしか体験できない迫力ある写真の世界を、ぜひご覧ください。
1982年兵庫県西宮市生まれ。静岡県沼津市在住。2004年大阪芸術大学写真学科を卒業。2005年キヤノン写真新世紀(優秀賞) 、2013年日本写真協会賞(新人賞)受賞、Foam Talents Call 2013、東京都写真美術館、Saatchi Gallery(London)など国内外のグループ展に参加。2016年サンフランシスコ近代美術館で個展が開催される。2022年キヤノンギャラリーS(品川)での個展開催と同時期に、テレビ番組「情熱大陸」にて、数回にわたって富士山に登頂して撮影した作品の制作過程が紹介される。
本展において制作した最新作”北陸道”で使用されたピースを使って参加者が独自の観点で写真をコラージュします。参加者には西野が旅の中で撮影してきた大量の写真をハサミやカッターなどを使い身体的に追体験するという試みになります。
●整理券配布について
当日、10:00より展覧会場・受付にて観覧券をご購入いただいた方でアーティストトークに参加を希望される方、先着100人様に整理券(1人1枚配布)を配布します。
※招待券をお持ちの方も整理券が必要です。